ザ・リジェンド・オブ・ジ・アワー McCoy Tyner |
1972年の「サハラ」から80年の「13th House」まで10年近く続いたマイルストーン・レーベルでのマッコイ・タイナーは、まさに絶頂期でした。作品の数も18作品に及ぶ。こうしてパワフルなサウンドを鳴らし続けてきたマイルトーンから離れ、マッコイは、81年新たにコロムビアと契約する。 コロムビアの第一作となるこの作品は、まだマイルストーンのマッコイ音楽の余韻が少し残り、ラテン・カラーも入って、比較的軽めの音楽に仕上がっている。マッコイ・タイナーを聴きはじめの方にはお勧めです。マッコイ音楽入門作品といったところです。なお、全曲マッコイのオリジナル。 1曲目の〈ザ・ハッピー・ライフ〉は、ピアノ、ベース、ヴァイヴから入り、フルート含む4管ホーンが活気あるテーマを奏でる。 ボビー・ハッチャーソンのヴァイヴは歯切れのいい響き、チコ・フリーマンのテナー・サックスは力強く吹きぬけていき、続くマッコイのピアノはノリに乗って、躍動感溢れるプレイを繰り広げていく。 2曲目の〈セレナード〉は、マッコイのピアノ・ソロ演奏から始まり、スロー・テンポで、やがてストリングス(8人編成)が加わり、ピアノとストリングスの掛け合い。チェロの響きがいいです。演奏は美しく流れていきます。 youtube.com/watch?v=szJMQ9xNspc 3曲目〈ザ・ハバナ・サン〉は、ミディアム・テンポでラテン調の曲。全員で明るいテーマを演奏していく。マッコイはリズムに合わせて軽快なプレイ、アルト・サックスのパキート・デリベラは情熱的なブロウ、続くヒューバート・ロウズのフルートは流動的なプレイを展開する。 youtube.com/watch?v=6E8sLSCd1-I 4曲目〈ウォーク・スピリット,トーク・スピリット〉は、73年のライブ「エンライトゥンメント」でも演奏されていますマッコイの代表曲。こちらの方が少し軽めで聴きやすくなっています。ベースがはじめリズムをとり、ホーンなどが軽快なリズムに乗ってテーマを奏でる。マッコイの疾走感溢れるプレイ、トランペットのマーカス・ベルグレイブは滑らかで暖か味のある演奏、テナー・サックスのフリーマンは伸び伸びとしたソロを聴かせ、エイヴリー・シャープの重厚なベース・ソロが続きます。 5曲目の〈ザ・サーチ〉は、ハッチャーソンのマリンバと、ストリングスを中心に、個性的なラテン調のメロディーが演奏されます。ソロは、ロウズのフルートは淡々としたプレイ、デリベラのソプラノ・サックスは爽快な響き、マッコイのピアノは重すぎず軽すぎず、心地良い演奏を繰り広げています。 youtube.com/watch?v=ga2o1JMN6vs ザ・リジェンド・オブ・ジ・アワーの商品詳細ページへ |
![]() Recorded. 1981. Columbia. McCoy Tyner piano Hubert Laws flute Bobby Hutcherson vibes, marimba Paguito D'Rivera alto and soprano sax Chico Freeman tenor sax Marcus Belgrave trumpet, flugelhorn Avery Sharpe bass Ignacio Berroa drums Daniel Ponce percussion William Fischer strings conductor plus strings 1. The Happy Life 7:29 2. A Serenade 4:59 3. The Havana Sun 6:36 4. Walk Spirit, Talk Spirit 9:56 5. The Search 6:21 |